口裂け女2
2008年3月22日劇場公開
あらすじ
1978年の岐阜県で暮らす高校生の真弓(飛鳥凛)は恵まれた家庭で2人の姉にも恵まれ、学生生活も順風満帆に生活していた。しかし、長女の幸子(川村ゆきえ)の結婚と同時に元恋人が嫉妬と復讐心から真弓へ硫酸をかけてしまう。そこから家庭は次々と不幸になっていきどん底へと進む出来事が次々と起こってしまう・・・
口裂け女の都市伝説がここから始まる・・・
前作とは全く別のアプローチ
まず最初に言えるのは、2とナンバリングされているが前作の白石監督の「口裂け女」とは完全に別物と考えていいです。続編ではなく「誕生編」といった方がしっくりきます。
ストーリーの筋立ても、ホラーのアプローチも、“口裂け女という怪異として完成するまで”に重点が置かれストーリーが進行します。なので、前作を観ていない人でも、むしろ観やすいのではと感じる印象でした。
本作の軸は「人が怪異に変わる瞬間」。
噂でも都市伝説でもない、まだひとりの人間として生活していた頃の物語です。幸せの絶頂にいた主人公が、一気に状況が転落そして信じてた者達の裏切りによって落ちていってしまいます。そこにドラマの痛さがあります。ただ怖いだけのホラーではなく
“もしこの人に、ひとりでも味方がいたら—”
と感じさせる方向性の作品でもあります。この“寄り添い不在”が、映画の痛みを増幅させてくれます。
1970年代の色調で描く、時代の息苦しさ
そして映像表現。この作品は“レトロ”という記号で飾るのではなく、時代の圧迫感そのものを画から滲ませていたと思います。
画面の色味、照明、風合い、昭和のテレビドラマ的な質感でありながら、その古さが逆にリアル。SNSも全く普及すらしてなかった時代、人の噂は人伝いで伝わる時代です。
つまり「昔の日本は、声を上げても届かなかった」という空気感が絶望を誘います。
グロ控えめ=想像で補完するエグさ
血飛沫は飛びますが直接的な描写は少ないです。だけど“直接見せない痛み”の方が深く刺さります。人は、映ってない部分を想像で補完してしまうので、そこにエグさが宿っているのではないかと思います。。
“見せずに、痛がらせる。”そこにも一つのホラーの真髄を実感しました。
総括
都市伝説は“怪物”として語られますが、怪異の前には人がいることが前提です。本作はそれを正面から表現しています。怪物誕生秘話を悲しいと思わせる日本ホラーは、けっこう多い気がします。
「噂には、噂になる前がある」
そういうテーマ性の強さが、作品全体を締めているように感じました。
私的関連作品
●「口裂け女」(2007年)
この映画の前作がこちらになります。全く今回の作品と関係はないですが・・・
●「嫌われ松子の一生」(2006年)
人生の転落を描いた作品と言えばこれかな
●「先生!口裂け女です!」(2019年)
ホラー路線でないテイストの違う口裂け女。私的に大好き!
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