トリック 劇場版
2002年11月9日 劇場公開
テンポのいい「霊能力者バトル」、絶妙なコメディと後味の悪さ
『トリック』らしく、今回も奈緒子&上田コンビが次々と霊能力者と対決していく構成はテンポが良く、視聴していて飽きがこないです。
他人のイメージを実体化する男(竹中直人)、足裏の心眼でなんでも見通す男(ベンガル)、確立を支配する男(石橋蓮司)といういかにもペテン師っぽい霊能力者と対峙します。
ギャグパートはしっかり笑えるし、シリアスパートはきちんと空気が締まるという、その“区切りの良さ”のおかげで、映画としての見やすさは抜群です。
ただ、それだけに終わらないのがトリックシリーズの面白い所。トリックという作品、ドラマ版含めて「え、そこ行く…?」というちょっと後味が悪いラストが多い気がします。
今回の映画版も、ゆるい空気で包まれてはいるものの、物語の本質は意外とえぐい。
人の欲、信仰、承認欲求…そういった“人間の暗い面”をしっかり見せてきます。笑っていたはずなのに、最後だけ妙に現実味が刺さりこの“落差”が、トリック特有のクセになる感覚でもあります。
縦読みの伏線──物語の余韻を残す仕掛け
本作のキーとなるのが、縦読みで意味が浮かび上がる独特な読み方の伏線。
これ自体はとても秀逸で、物語のラストの余韻を強める装置になっています。ただし、物語の途中で縦読みが使われるシーンは“聞き取りにくい&分かりにくい”のも事実。
このチグハグさもトリックらしさといえばらしさで、
「分かりにくいところまで含めて作品の味」
になっていると感じました。
しかしその伏線が最後に綺麗に回収され、鬼束ちひろ『月光』のイントロが流れ出すタイミングと完璧に重なるラストは、まさにシリーズの中でも屈指の名場面だと思います。
総括
トリックシリーズは「不可能に見える現象の種明かし」が 一番の醍醐味。
今回もその部分がしっかり描かれており、“霊能力”という曖昧な領域に科学的なオチをつけるスタイルは健在。
ミステリーとしてもエンタメとしても十分楽しめる内容です。
現在も活躍する女優・成海璃子が子役として出演。
ドラマシリーズでは山田奈緒子(仲間由紀恵)の子ども時代を演じており、今作では事件のカギを握る一人の少女として別役で登場します。当時は“塚本璃子”名義でクレジットされていました。
シリーズを見返すと「ここに成海璃子が!」という発見があるのも面白いポイントでした。
私的関連作品
●「トリック 劇場版2」(2006年)
この映画の劇場版続編となります。
●「ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer」(2000年)
堤監督作品、中谷美紀×渡部篤郎のバディものでドラマシリーズからの映画化
●「溺れる魚」(2001年)
堤監督作品。仲間由紀恵も主要人物として登場しています。主演は椎名桔平。
ランキングに参加始めました。
よろしければこちらもポチッとお願いします。
↓↓↓↓