ショウタイムセブン
2025年2月7日劇場公開
キャスター職から左遷されとあるラジオ局でMCを務める男、折本眞之輔(阿部寛)のもとに突然一本の電話がかかってくる。
それは発電所に爆弾を仕掛けたという脅迫電話、バカらしいと思い電話を切ると発電所は爆発してしまう。折本はその犯人の無理難題をテレビの生放送中に受けながら緊迫のやり取りを続けることに。
電話の相手は何者なのか?なぜ彼を標的にしたのか?
爆破の脅威と世間の注目が交錯する中、スタジオの中で折本が選ぶ最後の言葉とは──
阿部寛=折本、どこか“進藤”に重なる存在感
主演・阿部寛が演じる折本は、かつての報道番組で名を馳せた実力派キャスター。ある事件がきっかけで表舞台から退いた彼が、突如起こった爆破事件に巻き込まれ、テレビ局内で再び報道の現場に立ち向かう姿が描かれます。
最近まで放送されていた『キャスター』で彼が演じている進藤との共通点も多く、正義感と不器用さそして孤高の存在感が“やっぱり阿部寛”という印象を強めます。時期的にも重なったせいか、どうしてもキャラクターが似て見えてしまいました。
展開はスピーディー、だがドキドキがもう一歩…
物語は事件発生からあっという間に展開していき、基本的にはテレビ局内で繰り広げられるワンシチュエーションのサスペンス。テンポは良く、見やすい構成です。
しかしながら、設定のわりに緊迫感がやや薄め。爆破事件という重大な事態を扱っているものの観ていて“息が詰まるような怖さ”や“次の展開を予測できないハラハラ感”が少し足りないようにも感じました。
キャストは豪華だが…もう一歩踏み込んでほしかった
折本を取り巻く登場人物たちにも実力派俳優が並びます。竜星涼、錦戸亮、井川遥、吉田鋼太郎など、顔ぶれは非常に豪華。にもかかわらず、それぞれのキャラがあまり掘り下げられず物語を盛り上げるほどには活かされていない印象でした。
折本と他のキャラクターとの関係性や過去の因縁などがもう少し深堀りされていたら、感情移入もしやすくなったかもしれません。
もうひと押しほしい“見せ場”の強さ
終盤にかけては一応のクライマックスを迎えるものの、劇的な転換や衝撃の真相というよりは淡々と進んでいく印象でした。スピード感はあるのになぜか“アガる瞬間”が少なく少しフラットな印象で終わってしまったのが惜しいところ。
題材自体は面白く設定のポテンシャルも高いだけにもう一歩派手さや意外性があれば、さらに印象に残る作品になったのではと感じました。
総評:軽めのサスペンスとしては○ 比較視点があるとより楽しめるかも?
全体としては非常に見やすくテンポも良いので軽めのサスペンス映画を観たい人にはちょうどよい作品かもしれません。一方で、「もっと深いテーマが見たかった」「後味にもう一押しが欲しい」という方には少し物足りなさを感じる部分もありそうです。
本作は韓国映画『テロ,ライブ』を原作にしているとのことなので、気になった方はそちらもチェックしてみるとまた違った発見があるかもしれません。
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